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【企業別分析】三益半導体工業(8155)

三益半導体工業株式会社について有価証券報告書や中期経営計画、ニュースリリースから投資価値を独自に分析していきます。

記事の最後には、EPSと株価の相関関係から算出した株価予想も記載していますので、最後まで読んでいただけますと幸いです。

企業概要

企業名三益半導体工業株式会社
上場市場(上場年月)東証プライム(1986/1)
時価総額(業種別時価総額順位)170億円(金属製品 7 / 92 社)
外国法人持株比率16.5%
予想配当利回り2.34 %
監査法人赤坂有限責任監査法人
業務内容シリコンウエハーメーカー。プライムウエハーや再生ウエハーの加工、半導体製造装置等の販売等を行う。再生ウエハーで世界シェアトップ。半導体事業部は300mmウエハー中心に生産好調。23.5期2Qは収益伸長。 記:2023/01/30

  転載元:FISCO

競合他社

三益半導体工業の競合他社には、シリコンウエハーの製造・販売・加工サービスを提供する企業があります。

例えば、信越化学工業(4063)SUMCO(3436)などが挙げられます。

三益半導体工業は、これらの競合他社とは、高品質なエピタキシャルウエハーやパターン化ウエハーなどの付加価値の高い製品に特化していることで差別化を図っています。

また、産商事業部では、電子材料や化学品などの販売・輸出入・仕入れ代行サービスを提供することで、半導体素材分野以外にも幅広い顧客ニーズに応えています。

事業内容

三益半導体工業株式会社は、群馬県高崎市に本社を置くシリコンウエハーなどの半導体材料加工メーカーです。半導体事業部と産商事業部の2つの事業部で構成されています。

半導体事業部では、シリコンウエハーの製造・販売・加工サービスを提供しています。特に、高品質なエピタキシャルウエハーやパターン化ウエハーなどの付加価値の高い製品に強みを持っています。

産商事業部では、電子材料や化学品などの販売・輸出入・仕入れ代行サービスを提供しています。また、太陽光発電システムやLED照明などの環境関連商品も取り扱っています。

三益半導体工業株式会社は、半導体産業の素材分野を通じてエレクトロニクス社会の進展に貢献してきた歴史と実績を持つ企業です。

なお主な得意先は、信越半導体㈱であり、半導体事業部におけるプライムウエハー加工は同社より受注しています。

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信越化学工業に議決権の43.9%の株式を保有されています。信越化学工業グループと円滑な取引を継続しており、三益半導体工業の売上の約6割と高い割合を占めています。

強み・弱み

三益半導体工業の強みについて、以下が挙げられます。

  • 高品質なエピタキシャルウエハーやパターン化ウエハーなどの付加価値の高い製品に特化していること。
  • 半導体素材分野以外にも電子材料や化学品などの販売・輸出入・仕入れ代行サービスを提供することで、幅広い顧客ニーズに応えていること。
  • 自社に商事部門だけでなく半導体材料加工部門と設計・開発部門を持つことで、「技術のわかる商社」として信頼されていること。

三益半導体工業の弱みについて、以下が挙げられます。

  • シリコンウエハー市場は国内外の競合他社が多く、価格競争が激しいこと。
  • 半導体サイクルが終わりを迎え半導体需要が減少していること。

将来性については、以下が期待されます。

  • 半導体産業は5GやAIなどの技術革新により中長期的に成長が見込まれること。
  • エピタキシャルウエハーやパターン化ウエハーなどの付加価値製品は高機能・高性能化する半導体デバイスに必要不可欠であり、需要が増加する可能性があること。

目標とする経営指標

三益半導体工業は、半導体材料加工事業を軸に、収益の継続的な増大を図りつつ経営効率の改善に努め、総資産経常利益率及び自己資本利益率(ROE)の向上を図ってまいります。

バフェットコード

事業セグメント

三益半導体工業の事業セグメントは、以下の通りです。

セグメント取扱商品またはサービスの内容
半導体事業部プライムウエハーや再生ウエハーなどの半導体材料の加工及び販売を行う。
主な製品は、シリコンウエハー(プライムウエハー、再生ウエハー)等
半導体事業部は、半導体の主要素材であるシリコンウエハーの加工部門です。主力のプライムウエハーの加工においては、デザインルールの微細化が進展する中で、世界最先端の平坦度加工技術や洗浄技術を確立しています。
また、ウエハーの再生ビジネスにも取り組んでおり、この分野においてもトップレベルの加工技術を確立して、世界ナンバーワンのシェアを誇っています。
産商事業部計測器、試験機その他精密機器等の販売ならびにそれらに付帯する商品及びエンジニアリング事業部による製作品の販売を行う。
主な製品は、計測器、試験機その他精密機器等
産商事業部は、計測器や試験機、分析機器といった精密機器を中心に、顧客ニーズに応える最適な機器やシステムを提供しています。
半導体事業部、エンジニアリング事業部とも緊密な連携を取りながら、技術商社としての機能を発揮しています。
エンジニアリング事業部半導体関連自動化装置等の開発及び設計・製作を行う。
主な製品は、半導体材料加工装置、ロボットシステム等の各種自動化装置
現在は主として半導体製造装置や太陽電池関連装置の開発部門です。

売上の規模としては、「半導体事業部」と「産商事業部」でほとんど構成されています。

利益の規模としては、「半導体事業部」で太宗が計上されており、「産商事業部」が続いている形です。

業績

三益半導体工業の過去の業績は以下の通りです。

SBI証券

EPSの推移と予想EPS

四季報データより作成

四半期EPS推移

四季報データより作成

2023年5月期2Qは、売上高は429億円(前年同期比+23.5%増)、営業利益は70億円(前年同期比+71.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は48億円(前年同期比+72.8%増)となりました。

半導体事業部

300mmウエハー(再生ウエハーを含む)を中心に生産は好調に推移しました。

そうした中で、更なる品質の向上と原価低減を推進し、増収増益となっています。

再生ウエハーは国内メモリー大手が減産発表したため、顧客分散を推進しています。

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EV化でパワー半導体の設備投資活況となっており、好採算の自社製の製造装置は強い需要変わらず来期分の受注中、人員や委託工場の増強図っています。

産商事業部

自社開発製品及びその他の取扱商品の拡販活動に積極的に取り組み、増収増益となっています。

テクニカル分析

TradingView
TradingView

2013年に底を打ってからは業況の回復とともに株価は上昇しており、2021年には上場来高値を更新しています。

株価予想

EPSと株価の相関関係を使用して将来の価格を予想してみます。

株価からBPSを控除した金額の時間推移を利用した予測モデルをModel1、株価とEPSの相関を使用した予測モデルをModel2としています。

相関係数はModel1で84.3%、Model2で90.0%となっておりますので、株価とEPSには強い相関関係があるといえます。

相関係数の絶対値一般的な解釈
0~20%ほとんど相関関係がない
20~40%やや相関関係がある
40~70%かなり相関関係がある
70~100%強い相関関係がある

Model1

Model1で算出した価格は2023年5月期で2,784円、2024年5月期で3,087円となっています。

Model2

予想EPSは2023年5月期が211.3円、2024年5月期が259.2円となっており、Model2で算出した価格はそれぞれ3,182円3,796円となっています。

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