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【企業別分析】MIRARTHホールディングス(8897)

MIRARTHホールディングス株式会社(以下、ミラースHD)について有価証券報告書や中期経営計画、ニュースリリースから投資価値を独自に分析していきます。

記事の最後には、EPSと株価の相関関係から算出した株価予想も記載していますので、最後まで読んでいただけますと幸いです。

ミラースHDの企業概要

企業名MIRARTHホールディングス株式会社
上場市場(上場年月)東証プライム(2001/11)
時価総額(業種別時価総額順位)451億円(不動産業 33 / 145 社)
外国法人持株比率11.8%
予想配当利回り5.36 %
業務内容マンションディベロッパー。自社ブランド「レーベン」中心に、戸建や中古マンションなどを展開。1次所得者向けに実績。再生可能エネルギーによる発電事業を拡大。新築分譲マンションの販売好調で中間期は利益急伸。 記:2022/12/26

  転載元:FISCO

JPX日経中小型株指数構成銘柄への選定

ミラースHDは「JPX日経中小型株指数」の構成銘柄に選定されています。

JPX日経インデックス400」は、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸条件を満たした「投資家にとって投資魅力の高い企業」で構成され、日本企業の魅力を内外にアピールするとともに、その持続的な企業の評価や株式の流動性だけでなく、企業の財務状況など、株式市場の活性化を図る事を目的として創生された株式指数です。

JPX日経中小型株指数」ではJPX日経インデックス400で導入した「投資者にとって投資魅力の高い会社」を構成銘柄とするとのコンセプトを中小型株に適用することで、資本の効率的活用や投資者を意識した経営を行っている企業を選定するとともに、こうした意識をより広範な企業に普及・促進を図ることを目指すものです。

現在の投資の流行はインデックス投資ですから、インデックスの構成銘柄になることで大きな買い圧が生まれることが期待できます。

ミラースHDの事業について

ミラースHDは、新築分譲マンション「レーベン」シリーズの企画開発、販売及び流動化事業とエネルギー事業を中心に行っています。

2022年10月まではタカラレーベンという名前でしたので、こちらの方がなじみがあるかもしれません。

目標とする経営指標

ミラースHDの財務目標は以下の通りです。

  • 自己資本比率:30%以上
  • LTV:60%未満
  • D/Eレシオ:2.5倍未満
  • ROE:13%以上
バフェットコード
LTVとは

英語表記「Loan To Value」の略で、「資産総額に対する負債残高の割合」のこと。
不動産証券化商品では、LTV水準が高くなるにつれて金利上昇リスクが高まります。
引用元:大和証券HP

事業セグメント

ミラースHDの事業セグメントは、以下の通りです。

セグメント取扱商品またはサービスの内容
不動産事業新築分譲マンション「LEBEN」・「NEBEL」シリーズ等の企画開発及び販売を行う不動産販売事業、アパート、マンション及びオフィス等の賃貸事業、分譲マンションの総合管理事業等行う。
マンションブランド「レーベン」「ネベル」シリーズの開発・企画・販売を手がける新築分譲マンション事業。首都圏を中心に自社開発・自社施工の一貫体制で展開する戸建分譲事業。
立地価値の高いエリアでの中古マンションの買取・再販事業。不動産を対象にした資産運営管理業務。そしてマンション管理まで。
グループの中核をなす不動産に関わるさまざまな事業に取り組んでいます。
エネルギー事業再生可能エネルギーを活用した発電事業を行う。
株式会社レーベンクリーンエナジーを中心に、再生可能エネルギーを活用した発電事業を行っています。
建物の建設に向かない用地や休眠中の遊休地等にソーラーパネルを多数敷設し、太陽光によるメガソーラー発電所の開発を積極的に展開。
さらに電力供給の安定化を通じた社会貢献という面にも目を向け、太陽光発電以外の再生可能エネルギー施設の開発も視野に入れた取組を進めています。
アセットマネジメント事業MIRARTHホールディングスグループに蓄積された不動産、再生可能エネルギーに関する豊富な専門知識・ノウハウ・ネットワークを活用。東京証券取引所インフラファンド市場に上場しているタカラレーベンインフラ投資法人の運用受託を受けているほか、J-REITおよび私募ファンドの運用受託も積極的に展開し、幅広い投資家の皆様への優良な投資機会と堅実な資産管理サービスをご提供しています。
その他事業・介護事業
リハビリ特化型デイサービス事業を行う。
・建設事業
建設事業を行う。
・その他事業
ホテル事業等、上記以外の事業を行う。
入念な品質管理体制、環境負荷の低減にも配慮した建設事業。「日常のくつろぎがある、旅が広がる」をブランドビジョンにオリジナルブランド「HOTEL THE LEBEN」を展開するホテル運営事業。
また社会の高齢化が進むなか、簡単で楽しいトレーニングで自立を支援するリハビリ特化型デイサービス「マイリハ」を展開する介護事業など、次代を見据えた幅広い事業をグループ各社で手がけています。

2022年4月からセグメント変更を行っております。

変更後のセグメントでの売上高、利益の推移の情報が少ないため、変更前のセグメントで記載しています。

売上の規模としては「不動産販売事業」が安定して大きく、エネルギー施設の売却があった場合には「エネルギー事業(事業売却)」が大きくなっています。

利益は「不動産販売事業」が安定して大きくなっており、エネルギー施設の売却があった場合には「エネルギー事業(施設売却)」で利益を計上していることが分かります。

続いて「不動産賃貸事業」で安定して計上しています。

ミラースHDの業績

ミラースHDの過去の業績は以下の通りです。

SBI証券

EPSの推移と予想EPS

四季報データより作成

毎年徐々にですが増収増益となっています。

四半期EPS推移

四季報データより作成

2023年3月期3Qは、売上高は950億円(前年同期比△5.0%減)、営業利益は22億円(前年同期比△73.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は18億円(前年同期比△42.0%減)となりました。

avatar
2023年3月期3Qは不動産事業の業績が悪化(単体では赤字)となっていますが、原因はミラースの元役員が、道路交通法違反(スピード違反)で執行猶予付き有罪判決を受け、それが宅地建物取引業の欠格事由に該当しているため、10/31~12/5まで営業活動が行えなかったことがあります。詳細は決算説明資料を待ちます。

新築分譲マンションの引渡戸数の増加や流動化事業の順調な売却進捗となっています。

不動産業界においては、売却案件の減少やJ-REITの物件取得減少の影響により2022年1月~9月の国内不動産投資額は1.9兆円(前年同期比38%減)となりました。

しかしながら、安定性・流動性に優れる国内不動産の優位性は変わらないうえに、世界各国の利上げに対して金融緩和の継続かつ円安が進む日本の不動産投資市場はさらに魅力を増しており、海外投資家の投資意欲は堅調です。

avatar
2022年12月に行われた日銀による長期金利引き上げに伴う不動産投資家の姿勢変化、国内金融政策のさらなる変更、金融機関の融資姿勢の厳格化など、不動産市況に調整局面が訪れる可能性に留意が必要です。

不動産事業

ミラースHDで太宗の売上、利益を計上する不動産事業の内訳をみてみると「新築分譲マンション」「不動産流動化」の割合が大きく、「新築戸建分譲」が増えてきている状況です。

不動産事業-新築分譲マンション

ミラースHDのコア事業として位置づけられている「新築分譲マンション」は不動産開発事業では、前年同四半期比で、売上高・売上総利益はいずれも増加となりました。

通期計画に対する契約状況は、進捗率が94.2%と前年同四半期比よりも好調に進捗しています。

不動産事業-流動化

不動産流動化事業では前年同四半期比で、売上高・売上総利益はいずれも増加となっています。

新築分譲マンション事業で培った強みを生かし、主にレジデンスを中心に投資・開発を実施しています。

売上総利益は、通期予想を前倒しで達成となっています。

avatar
2Q時点で通期の売上総利益の予想を達成していますが、通期予想変更していませんので下期は損失計上となっていますが実際には下期にも利益が計上されることになるでしょう。

不動産事業-新築戸建分譲

好調な販売状況により、前年同四半期比で売上高・売上総利益はともに増加しています。

エネルギー事業

2021年3月期、2022年3月期同様に、計画通りエネルギー施設(太陽光発電所)の売却があるかどうか。

一応中期経営計画の中では110億円規模のエネルギー施設売却が実施される予定となっています。

中期経営計画

2025年3月期までを対象とした新たな中期経営計画を2021年5月14日に発表しています。

その中で目標とする財務指標として以下が掲げられています。

  • 自己資本比率:30%以上
  • LTV:60%未満
  • D/Eレシオ:2.5倍未満
  • ROE:13%以上

テクニカル分析

TradingView
TradingView

ここ5年ほどは利益も同水準のため株価もパッとしていませんが、右肩下がりのレジスタンスラインを突き抜けているので、利益の上向き基調を明確にできるかが注目点です。

株価予想

EPSと株価の相関関係を使用して将来の価格を予想してみます。

株価からBPSを控除した金額の時間推移を利用した予測モデルをModel1、株価とEPSの相関を使用した予測モデルをModel2としています。

相関係数はModel1で61.1%、Model2で36.9%となっておりますので、株価とEPSにはやや相関があるといえます。

相関係数の絶対値一般的な解釈
0~20%ほとんど相関関係がない
20~40%やや相関関係がある
40~70%かなり相関関係がある
70~100%強い相関関係がある

Model1

Model1で算出した価格は2023年3月期で425円、2024年3月期で443円となっています。

Model2

予想EPSは2023年3月期が64.0円、2024年3月期が77.8円となっており、Model2で算出した価格はそれぞれ485円558円となっています。

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