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【企業別分析】FPG(7148)

株式会社FPGについて有価証券報告書や中期経営計画、ニュースリリースから投資価値を独自に分析していきます。

記事の最後には、EPSと株価の相関関係から算出した株価予想も記載していますので、最後まで読んでいただけますと幸いです。

企業概要

企業名株式会社FPG
上場市場(上場年月)東証プライム(2010/9)
時価総額(業種別時価総額順位)931億円(証券、商品先物取引業 9 / 40 社)
外国法人持株比率9.4%
予想配当利回り5.35 %
監査法人EY新日本有限責任監査法人
業務内容金融サービス会社。航空機や船舶等のリース投資商品、不動産小口化投資商品等の販売を手掛ける。M&Aアドバイザリー等も。22.9期通期は業績好調。不動産ファンド事業は伸長。不動産ファンド事業組成金額が伸びる。 記:2022/11/05

  転載元:FISCO

JPX日経中小型株指数構成銘柄への選定

FPGは「JPX日経中小型株指数」の構成銘柄に選定されています。

JPX日経インデックス400」は、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸条件を満たした「投資家にとって投資魅力の高い企業」で構成され、日本企業の魅力を内外にアピールするとともに、その持続的な企業の評価や株式の流動性だけでなく、企業の財務状況など、株式市場の活性化を図る事を目的として創生された株式指数です。

JPX日経中小型株指数」ではJPX日経インデックス400で導入した「投資者にとって投資魅力の高い会社」を構成銘柄とするとのコンセプトを中小型株に適用することで、資本の効率的活用や投資者を意識した経営を行っている企業を選定するとともに、こうした意識をより広範な企業に普及・促進を図ることを目指すものです。

現在の投資の流行はインデックス投資ですから、インデックスの構成銘柄になることで大きな買い圧が生まれることが期待できます。

事業内容

FPGは、設立以来、独立系金融サービス会社として、リースファンド事業、不動産ファンド事業、保険事業などの様々な金融サービス事業を展開してきました。

リースファンド事業では、高度な案件組成能力を誇る業界屈指のプロ集団として存在感を発揮しています。

また、不動産ファンド事業においては、東京都心および国内主要都市の不動産を対象とした不動産小口化商品に加え、海外不動産投資商品を提供しています。

さらに、近年では金融サービスの枠を超えて、航空事業、FinTech事業などにも進出しています。

FPGは様々な金融商品・サービスを、全国の会計事務所・金融機関との間で構築した強固な販売ネットワークにより、お客様に提供しています。

目標とする経営指標

2024年9月期を対象とする中期経営計画では、基本方針として、当社が持続的成長を続けていくための変革と挑戦に取り組み2023年9月期以降、安定的に経常利益100億円以上を目指すこととしています。

バフェットコード
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2022年9月期には中期経営計画の公約であった経常利益100億円を1年前倒しで達成しています。

事業セグメント

FPGの事業セグメントは、以下の通りです。

なお、全セグメントに占める「ファンド・金融サービス事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメントごとの記載は省略されています。

セグメント取扱商品またはサービスの内容
ファンド・金融サービス事業A)リースファンド事業
中小企業の方々にオペレーションリース(航空機、船舶、コンテナ)を提案しています。
FPGは、オペレーティング・リース事業案件の組成及び管理並びに投資家への匿名組合出資持分・任意組合出資持分・信託受益権の販売を行うことで、手数料等の収益を得ています。
B)不動産ファンド事業
中小企業のオーナー様はじめ富裕層の皆様のために、国内不動産を対象とした株式会社FPG信託の信託機能を活用した不動産小口化商品、海外不動産を対象とした集団投資事業案件を投資家に提供しています。
C)Fintech事業
FPGグループが保有する様々な金融ライセンスとデジタル技術を組み合わせた、FPGならではの商品、サービスを提供するため、FinTechへの取り組みを提案しています。
2021年4月、FinTech事業の第一弾としてQ給 - 給与前払いサービス – の提供を開始しています。
D)保険事業
法人のお客さま向けに生命保険を中心とした、最適な保険商品を提供しています。
FPGが行う保険代理店事業においては、保険会社の委託に基づき、顧客である保険契約者と保険会社との間の保険契約の締結の媒介を行い、保険契約が成約した際には、保険会社から所定の手数料を得ています。
E)M&A事業
事業承継に関する悩み・課題を抱えている中小・中堅企業のオーナー様に、様々な選択肢を提案しています。
主に、顧客の事業の売却等に関して、アドバイザリー契約を締結し、手数料を得るとともに、事業の売却等が成約した際には、所定の成功報酬を得ています。
F)プライベートエクイティ事業
投資により取得した事業会社の発行する株式等又はプライベートエクイティファンドへの出資に係る持分を売却し、譲渡収益を獲得することを目的とする投資活動を行っています。
G)信託事業

顧客との間で締結した信託契約に基づき、信託財産の運用・管理を行うことで、手数料・報酬を得ています。
なお、事業別売上高の計上に際しては、オペレーティング・リース事業及び不動産小口化商品の案件組成サポート・管理に関するサービスからの売上高は、それぞれリースファンド事業の売上高及び不動産ファンド事業の売上高に含めています。
H)証券事業

FPGが組成したオペレーティング・リース事業案件や海外不動産を対象とした集団投資事業案件に係る任意組合出資持分の引受けや、投資一任契約を締結し、顧客の受託資産に関する金融商品の価値等の分析に基づく投資判断その他受託資産の管理及び運用の指図に関する判断を行うことで、収益を得ています。
航空
サービス事業
航空事業
航空運送事業者及び航空機使用事業者として、主として人員輸送等の事業を行い、収益を得ています。

売上の規模としては「不動産ファンド事業-国内不動産」が安定して大きく、また規模を拡大してきています。

リースファンド」も安定して大きな売上高の規模となっています。

業績

FPGの過去の業績は以下の通りです。

SBI証券
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2022年9月期は2019年9月期の利益水準に戻っていますね。

EPSの推移と予想EPS

四季報データより作成

FY2021からFY2022にかけて利益が大きく増加しています。

売上高も大きく増加しているのですが、これは売上高の収益認識基準が変更されたことによるものが大きいです。

四半期EPS推移

四季報データより作成

2022年9月期は、売上高は591億円(前連結会計年度について不動産小口化商品の販売に関する会計処理に関して、当連結会計年度と同じ方法で処理した場合と比較し、前年度比で約1.8倍)、営業利益は117億円(前年同期比+124.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は84億円(前年同期比+187.6%)となりました。

リースファンド事業

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当然ですが売上高は出資金販売額と比例しています。

リースファンド事業 販売

出資金販売額は687億円(前年度比27.3%減)となりましたが、収益率の高い案件の出資金販売が好調に継続した結果、売上高は142億円(前年度比27.5%増)と伸長しました。

リースファンド事業 組成

リース事業組成金額は、航空機・船舶・コンテナ全ての組成金額が前連結会計年度と比べ概ね倍増した
結果、3,089億円(前年度比94.6%増)となっています。

コンテナは、2022年3月の過去最大規模となる総額376億円の組成もあり、過去最高の組成額を達成。

船舶は、業績好調な海運業界からの案件獲得に注力し、組成額を拡大。トランジション・ファイナンスの取り組みとして2021年12月に受注したコンテナ船18隻は、6月より順次組成を開始し、第4四半期にも一部を組成しています。

リースファンド事業 在庫

ポストコロナにおける投資家の需要回復が見込まれる中、販売拡大に向けた在庫の確保を積極的に進め、
前期末比2.4倍に拡大。

海運業界からの案件獲得に注力した結果、航空機案件と海運案件が同等の規模となっています。

不動産ファンド事業

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当然ですが売上高は不動産小口商品販売額と比例しています。

不動産ファンド事業 販売

国内不動産は組成と販売の好循環を確立し、不動産小口化商品販売額が、425億円(前年度比104.7%増)となり、また、海外不動産についても第1号案件の販売を2022年6月より開始し、出資金販売額が50億円となった結果、国内不動産・海外不動産合算の売上高は436億円となりました。

不動産ファンド事業 組成

不動産ファンド事業組成金額は、国内不動産・海外不動産合算で、前連結会計年度と比べ倍増となる747億円(前年度比114.8%増)となっています。

10月13日には、不動産小口化商品における過去最大の大規模案件となる「FPGリンクス渋谷道玄坂」を組成済み

海外不動産

海外不動産は、第1号案件(ニューヨーク市近郊の大規模複合住宅)の販売を6月より開始し、50億円を販売しています。

第2号案件の物件取得に向けて交渉が進行中となっています。

不動産ファンド事業 在庫

不動産ファンド事業のさらなる拡大に向けて、旺盛な需要に見合う在庫を確保しています。

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FPGはリース会社という印象でしたが、不動産事業の成長が好調で稼ぎ頭となっていますね。

中期経営計画

2023年9月期から2025年9月期までを対象とした新たな中期経営計画を2022年10月31日に発表しています。

事業戦略としては以下の4つが挙げられています。

  1. 早期に過去最高益(経常利益143.9億円、純利益※100.3億円)の更新を目指す
  2. 第2の柱である国内不動産のさらなる成長
  3. 第3の柱とすべく海外不動産の取り組みを拡大
  4. SDGsへの取り組み

テクニカル分析

TradingView
TradingView

2018年に高値を付けてから業績の悪化に伴って株価は下落トレンドを形成していましたが、業績の回復に伴い上昇してきています。

株価予想

EPSと株価の相関関係を使用して将来の価格を予想してみます。

株価からBPSを控除した金額の時間推移を利用した予測モデルをModel1、株価とEPSの相関を使用した予測モデルをModel2としています。

相関係数はModel1で1.5%、Model2で95.9%となっておりますので、株価とEPSには強い相関があるといえます。

相関係数の絶対値一般的な解釈
0~20%ほとんど相関関係がない
20~40%やや相関関係がある
40~70%かなり相関関係がある
70~100%強い相関関係がある

Model1

Model1で算出した価格は2023年9月期で1,086円、2024年9月期で1,157円となっています。

Model2

予想EPSは2023年9月期が11.1.2円、2024年9月期が122.9円となっており、Model2で算出した価格はそれぞれ1,242円1,343円となっています。

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