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【企業別分析】トーセイ(8923)

トーセイ株式会社について有価証券報告書や中期経営計画、ニュースリリースから投資価値を独自に分析していきます。

記事の最後には、EPSと株価の相関関係から算出した株価予想も記載していますので、最後まで読んでいただけますと幸いです。

トーセイの企業概要

企業名トーセイ株式会社
上場市場(上場年月)東証プライム(2004/2)
時価総額(業種別時価総額順位)659億円(不動産業 26 / 145 社)
外国法人持株比率27.7%
予想配当利回り4.42 %
業務内容再生不動産の不動産流動化事業を軸に、不動産開発、賃貸、不動産ファンド、管理などを展開。不動産をクライアントのニーズに合わせて再生させるビジネスモデルに特徴。受託資産残高1.6兆円超。中間期は営業増益。 記:2022/07/11
分譲マンション販売に注力。業容好調で3Q累計は増収増益。 記:2022/10/10

  転載元:FISCO

JPX日経中小型株指数構成銘柄への選定

トーセイは「JPX日経中小型株指数」の構成銘柄に選定されています。

JPX日経インデックス400」は、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸条件を満たした「投資家にとって投資魅力の高い企業」で構成され、日本企業の魅力を内外にアピールするとともに、その持続的な企業の評価や株式の流動性だけでなく、企業の財務状況など、株式市場の活性化を図る事を目的として創生された株式指数です。

JPX日経中小型株指数」ではJPX日経インデックス400で導入した「投資者にとって投資魅力の高い会社」を構成銘柄とするとのコンセプトを中小型株に適用することで、資本の効率的活用や投資者を意識した経営を行っている企業を選定するとともに、こうした意識をより広範な企業に普及・促進を図ることを目指すものです。

現在の投資の流行はインデックス投資ですから、インデックスの構成銘柄になることで大きな買い圧が生まれることが期待できます。

トーセイの事業について

トーセイグループは、不動産再生、開発、賃貸、ファンド・コンサルティング、ホテル、管理の6事業を保有し、安定性の高いポートフォリオ経営を推進しています。

再生・開発事業は不動産売買による高い収益が期待できる一方で、賃貸、ファンド・コンサルティング、ホテル、管理事業からは安定的な収益を得ることができます。トーセイグループは、6つの事業を相互に補完し合いながら、市況の変化に柔軟に対応できる事業基盤を構築しています。

トーセイ HP

「グローバルな発想を持つ心豊かなプロフェッショナル集団としてあらゆる不動産シーンにおいて新たな価値と感動を創造する」ことを存在理念とし、常に「モノづくり」へのこだわりを持ち、不動産と金融の融合を意識した多様な不動産関連事業の推進により社会に貢献し、グループ企業価値を向上することを目指しています。

目標とする経営指標

2021年11月期を初年度とする中期経営計画「Infinite Potential 2023」(2020年12月~2023年11月)では、『あらゆる不動産シーンにおいて、グループの無限大の成長可能性を追求し、総合不動産会社としての新たなステージを目指す。』ことを大方針に掲げ、グループのさらなる成長に向けて既存事業の拡大とDX推進による既存事業拡充、ESG経営の実践に取り組んでいます。

なお、コロナ禍の影響が不透明であったため、中期経営計画策定当初において2年目以降の売上高及び利益計画を非公表としておりましたが、現時点における事業環境の見通し並びに初年度業績動向を鑑み計画の見直しを行っています。

財務目標は以下の通りです。

  • 成長性  :最終年度連結売上高 1,000億円850億円に修正(2023/1/12)
          最終年度連結税引前利益 140億円
  • 資本効率 :最終年度ROE 12%以上
  • 安定性  :安定事業比率(営業利益ベース) 50%程度→42%以上に修正(2023/1/12)
  • 財務健全性:自己資本比率 35%程度
  • ネットD/Eレシオ 1.3倍程度
  • 株主還元 :3年間で配当性向25%から30%へ段階的に引き上げを目指す
バフェットコード

事業セグメント

トーセイの事業セグメントは、以下の通りです。

セグメント取扱商品またはサービスの内容
不動産流動化事業資産価値の劣化した不動産を再生し、販売を行う。
資産価値の劣化したオフィスビルや商業施設、賃貸マンション等を多様な手法()を用いて取得し、エリアの特性やテナントのニーズを取り込んだ「バリューアッププラン」を検討したうえで、最適と判断したバリューアップを施した「再生不動産」を投資家・不動産ファンド・自己利用目的の事業法人等に販売しています。
また、「Restyling事業」として一棟の収益マンションを取得し、共用部分、専有部分等をバリューアップのうえ、分譲物件としてエンドユーザーに販売しています。
()トーセイの仕入れは、現物不動産売買のほか、不動産保有会社や不動産関連ビジネスを行う事業会社等をM&Aによって買収し、その保有する不動産を取得する“不動産M&A”の手法によるものや、不動産担保付債権・代物弁済不動産の権利調整を通じた取得など、幅広い手法を用いて優良不動産の取得を行っています。
不動産開発事業個人顧客向けのマンション・戸建住宅の分譲及び投資家向けの賃貸マンション・オフィスビル等の販売を行う。
トーセイグループの中心事業エリアである東京都区部は、事務所用・商業用・居住用等のいずれのニーズも混在しており、土地の利用方法によって価値に大きな差が生じる地域です。
トーセイは、取得した土地のエリア・地型・用途・ニーズ・賃料・販売価格等を検証し、その土地の価値最大化につながる開発・新築を行い、一棟販売あるいは分譲販売しています。
不動産賃貸事業オフィスビルやマンション等の賃貸を行う。
トーセイグループでは、東京都区部を中心に事業の裾野を広げ、オフィスビル・マンション・店舗・駐車場を所有しエンドユーザー等に賃貸しています。
不動産ファンド・コンサルティング事業不動産ファンドのアセットマネジメント業務等をを行う。
トーセイグループでは、金融商品取引法に規定される第二種金融商品取引業、投資助言・代理業および投資運用業に基づく事業を行っています。
不動産管理事業総合的なプロパティマネジメント業務を行う。
オフィスビル、マンション、ホテル、商業施設、学校施設等の建物・設備管理、保安警備等(ビルメンテナンス)および、オーナー代行、テナント管理、テナント募集、建物管理(プロパティマネジメント)並びに分譲マンションの管理業務を行っています。
ホテル事業ホテル運営等を行う。
首都圏を中心とした自社ブランド「TOSEI HOTEL COCONE」の企画、運営のほか、ホテル開発や中古オフィスビルのホテルコンバージョンを行っています。

売上の規模としては「不動産再生事業」「不動産開発事業」が大きいです。

不動産賃貸事業」「不動産ファンド・コンサルティング事業」「不動産管理事業」はそれぞれ売上高に占める割合は多くありませんが、毎期安定して収益を出している事業です。

利益は「不動産再生事業」と「不動産ファンド・コンサルティング事業」で太宗を稼ぎ、続いて「不動産賃貸事業」で安定して計上しています。

不動産開発事業」は利益のブレが大きく、2020/11期2Qでは大幅な赤字を計上しています。

トーセイの業績

トーセイの過去の業績は以下の通りです。

SBI証券

EPSの推移と予想EPS

四季報データより作成

毎年順調に増収増益となっています。

四半期EPS推移

四季報データより作成

2022年11月期は、売上高は709億円(前年比+14.9%増)、営業利益は135億円(前年比+23.2)、親会社株主に帰属する当期純利益は86億円(前年比+28.0%)となりました。

不動産業界においては、売却案件の減少やJ-REITの物件取得減少の影響により2022年1月~9月の国内不動産投資額は1.9兆円(前年同期比38%減)となりました。

しかしながら、安定性・流動性に優れる国内不動産の優位性は変わらないうえに、世界各国の利上げに対して金融緩和の継続かつ円安が進む日本の不動産投資市場はさらに魅力を増しており、海外投資家の投資意欲は堅調です。

avatar
2022年12月に行われた日銀による長期金利引き上げに伴う不動産投資家の姿勢変化、国内金融政策のさらなる変更、金融機関の融資姿勢の厳格化など、不動産市況に調整局面が訪れる可能性に留意が必要です。

不動産再生事業

不動産再生事業は、オフィスビルや物流施設、収益マンションなどの投資用物件の販売が好調であり、2021年度に本格参入した区分マンション販売も含めて順調に推移しました。

売上高 374億円(前期比+11.6%)、営業利益61億円(同▲15.3%)となっています。

不動産開発事業

不動産開発事業は、分譲マンションや戸建については販売を急がない利益重視の戦略であるため分譲の販売実績は計画戸数を若干下回ったものの、上期に売却した商業施設の利益が寄与し、セグメント利益は計画を上回りました。

売上高137億円(前期比+15.3%)、営業利益 29億円(同+178.9%)となっています。

4Qに分譲マンション「THE パームス戸田マスターグレイス」を引渡開始(全114戸中93戸を引渡)

コロナ禍からの回復に伴い、商業施設の評価損の戻入を5.4億円計上し、売上総利益率が上振れとなっています。

不動産賃貸事業

不動産賃貸事業は収益不動産の仕入やリーシングの遅れによりセグメント収益が計画を下回りました。

売上高62億円(前期比+12.1%)、営業利益30億円(同+12.7%)となっています。

不動産ファンド・コンサルティング事業

売上高54億円(前期比+10.2%)、営業利益 32億円(同+2.6%)と増収増益となっています。

受託資産残高(AUM)は通期目標1兆6,500億円に対し、1兆7,228億円まで伸長(前期末比3,020億円増)、AUMの増加に伴い、AMフィー収入が順調に成長(前期比+22.9%)しました。

近年成長を続けている不動産ファンド・コンサルティング事業は、期末の受託資産残高を1.7兆円超と大きく残高を伸ばしており、2022年12月には新たに大型案件「大手町プレイス」を受託しました。

不動産ファンド市場は、引き続き市場規模の拡大が続いています。

2022年10月のJ-REITの運用資産額は 21.7兆円(前年同月比 0.4兆円の増加)、私募ファンドは運用資産額 26.5兆円(2022年6月末時点、前年同月比 3.1兆円の増加)となり、両者を合わせた証券化市場の規模は 48.2兆円まで拡大しました(民間調査機関調べ)。

中期経営計画の進捗 ~Infinite Potential 2023~ (2021/11~2023/11)

物件の販売計画見直しを実施。従前計画の税引前利益は維持したまま、売上高を下方修正しています。

売買事業が伸びるため、安定事業比率は約4割にとどまる見込みとなっています。

テクニカル分析

TradingView

ここ数年は右肩上がりで成長を続けていることに伴って、株価も右肩上がりとなっています。

株価予想

EPSと株価の相関関係を使用して将来の価格を予想してみます。

株価からBPSを控除した金額の時間推移を利用した予測モデルをModel1、株価とEPSの相関を使用した予測モデルをModel2としています。

相関係数はModel1で41.4%、Model2で83.1%となっておりますので、株価とEPSには強い相関があるといえます。

相関係数の絶対値一般的な解釈
0~20%ほとんど相関関係がない
20~40%やや相関関係がある
40~70%かなり相関関係がある
70~100%強い相関関係がある

Model1

Model1で算出した価格は2023年11月期で1,532円、2024年11月期で1,672円となっています。

Model2

予想EPSは2023年11月期が193.1円、2024年11月期が205.4円となっており、Model2で算出した価格はそれぞれ1,432円1,496円となっています。