
株式会社gumiについて有価証券報告書や中期経営計画、ニュースリリースから投資価値を独自に分析していきます。
記事の最後には、EPSと株価の相関関係から算出した株価予想も記載していますので、最後まで読んでいただけますと幸いです。
Contents
企業概要
企業名 | 株式会社gumi |
上場市場(上場年月) | 東証プライム(2014/12) |
時価総額(業種別時価総額順位) | 327億円(情報・通信業 143 / 582 社) |
外国法人持株比率 | 8.9% |
予想配当利回り | 0.00% |
監査法人 | EY新日本有限責任監査法人 |
業務内容 | モバイルオンラインゲーム制作会社。自社オリジナルや他社IPを活用したゲームの開発、運用などを行う。「ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫」等が売上貢献。売上原価は減少。23.4期1Qは営業黒字転換。 記:2022/10/30 モバイルオンラインゲーム事業は黒字転換。人件費や外注費の減少等が寄与。23.4期2Qは営業黒字転換。 記:2023/02/01 |
転載元:FISCO
競合他社
gumiの競合他社には、モバイルオンラインゲームの開発・運用を行っている企業や、ブロックチェーンやXRの領域で活動している企業があります。例えば、以下のような企業が挙げられます。
- モバイルオンラインゲーム:GREE(3632)、DeNA(2432)、Cygames(サイバーエージェント(4751))、ミクシィ(2121)など
- ブロックチェーン:DMM.com、SBIホールディングス、LINEなど
- XR:バンダイナムコエンターテインメント、カプコン、ソニー・インタラクティブエンタテインメントなど
gumiはこれらの競合他社とは、以下のように差別化を図っています。
- モバイルオンラインゲームでは、海外市場への展開やIP(知的財産)を活用したコラボレーションを強化しています。
- ブロックチェーンでは、自社開発のプラットフォーム「gumi Cryptos」や投資ファンド「gumi Cryptos Capital」を通じて、国内外の優良プロジェクトに参画しています。
- XRでは、「東京クロノス」など独自IPを持つ作品を制作し、「VRアニメ」という新たなジャンルを確立しています。
事業内容
gumiグループはモバイルオンラインゲームの企画・開発・運営、XR領域の投資・開発などを行う会社です。
gumiが提供する製品やサービスには、以下のようなものがあります。
- モバイルオンラインゲーム:「ブレイブ フロンティア」「ファントム オブ キル」「魔法使いと黒猫のウィズ」など
- XRコンテンツ:「東京クロノス」「ALTDEUS: Beyond Chronos」「LOW-Fi」など
- ブロックチェーン関連:「CryptoSpells」「My Crypto Heroes」「Brave Frontier Heroes」など
強み・弱み
gumiの強みについては、以下が挙げられます。
- 海外市場への展開力
- 有名タイトルやオリジナルIPの保有
- ブロックチェーンやXRなど新技術への取り組み
gumiの弱みについては、以下が挙げられます。
- スマホゲームという競争が激しい業界での差別化
将来性については、以下が期待されます。
- メタバースやNFTという次世代コンテンツへの参入
- SBIホールディングスとの資本業務提携によるシナジー効果
- VRアニメなど独自ジャンルの確立
2022年12月22日に、gumiはSBIホールディングスと資本提携しています。SBIホールディングスは、gumiが実施する第三者割当増資を引き受ける方法により同社株式を取得することで合意しました。
この資本提携により、gumiはブロックチェーンゲームやメタバースなどの新規事業開発や海外展開において、SBIグループのネットワークや資金力を活用できるようになります。
目標とする経営指標
gumiグループの重視している経営指標は、売上高営業利益率です。
現在収益の主軸となっているモバイルオンラインゲーム事業において安定的な収益を確保し、当該収益の一部を将来の収益基盤の構築を図るための成長投資に活用することで、中長期的な収益力の拡大に努めています。
そのため、売上高営業利益率20%以上を確保することを目標としています。

事業セグメント
gumiの事業セグメントは、以下の通りです。
セグメント | 取扱商品またはサービスの内容 |
---|---|
モバイルオンラインゲーム事業 | モバイルオンラインゲームの開発・運用 独自及び外注先・業務委託先等との連携を通じてモバイルオンラインゲームの開発・運営を行っています。 |
XR事業(VR,AR,MRなど) | XRに関するハードウェア、ソフトウェア及びコンテンツの開発並びにXRに係る投資 主にファンド出資を通じたXR関連企業の成長支援の実施を行っています。 |
ブロックチェーン事業 | ブロックチェーンに関するソフトウェア及びコンテンツの開発並びにブロックチェーンに係る投資 ファンド出資を通じ、新たなテクノロジーを活用した国内・海外の有力企業への投資の実行や事業連携等によるノード運営、コンテンツ開発の推進を行っています。 |
なお、FY2023より「XR事業(VR、AR、MR等)」と「ブロックチェーン事業」を「メタバース事業」として再整理しています。


売上、利益ともに「モバイルオンラインゲーム事業」から計上されています。
業績
gumiの過去の業績は以下の通りです。

EPSの推移と予想EPS

四半期EPS推移

2023年4月3Q期は、売上高は123億円(前年同期比△12.8%減)、営業利益は5.0億円(前年同期は19.2億円の営業損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2.2億円(前年同期は当期純損失51.2億円)となりました。
モバイルオンラインゲーム事業

売上高に関しては、前連結会計年度に配信を開始した複数タイトルの売上寄与があったものの、その他主力タイトルにおいて配信期間の経過により売上が減少したことに伴い、前年同期比で減収となりました。
営業利益に関しては、開発・運用体制の適正化による人件費及び外注費の減少に加え、複数の受託タイトルを開発ポートフォリオに組み入れる等の様々な取り組みが奏功し、前年同期比で増益となりました。
中期経営戦略(FY20~FY22)の進捗状況と今期(FY22)の方針
FY21の振り返り
モバイルオンラインゲーム事業
2本のヒットタイトルを創出も、既存タイトルの想定以上の売上減衰等により営業利益目標(30~50億円)に対し大幅未達。FY22以降の収益改善に向けてコスト適正化等の様々な取り組みを実施
メタバース事業
ノード運営を通じ数億円規模の収益創出に成功。新ファンドの組成や新たなノード運営の獲得等も推進し、将来の収益基盤構築に向けた積極的な事業展開を実施
FY22の方針
モバイルオンラインゲーム事業
既存タイトルは全タイトル黒字運営しつつ、自社保有のゲームエンジンの横展開や、安定収益となる開発受託を推進。既存タイトルにて10億円程度の安定利益を創出しつつ、新作の収益貢献にて30億規模まで利益拡大を目指す
メタバース事業
特にブロックチェーン領域への取り組みを強化。ファンドからの投資回収やノード運営を主に20億円規模の利益創出を目指す。コンテンツ開発にも注力し、FY23以降の収益拡大に向けた基盤を構築
テクニカル分析

上場以降、緩やかな下落トレンドを形成していますが、直近では出来高が増えてきています。
株価予想

EPSと株価の相関関係を使用して将来の価格を予想してみます。
株価からBPSを控除した金額の時間推移を利用した予測モデルをModel1、株価とEPSの相関を使用した予測モデルをModel2としています。
相関係数はModel1で58.9%、Model2で41.8%となっておりますので、株価とEPSにはやや相関関係があるといえます。
相関係数の絶対値 | 一般的な解釈 |
---|---|
0~20% | ほとんど相関関係がない |
20~40% | やや相関関係がある |
40~70% | かなり相関関係がある |
70~100% | 強い相関関係がある |
Model1
Model1で算出した価格は2023年4月期で367円、2024年4月期で101円となっています。

Model2
予想EPSは2023年4月期が87.2円、2024年4月期が126.4円となっており、Model2で算出した価格はそれぞれ1,090円、1,142円となっています。
