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【企業別分析】栗本鐵工所(5602)

株式会社栗本鐵工所について有価証券報告書や中期経営計画、ニュースリリースから投資価値を独自に分析していきます。

記事の最後には、EPSと株価の相関関係から算出した株価予想も記載していますので、最後まで読んでいただけますと幸いです。

企業概要

企業名株式会社栗本鐵工所
上場市場(上場年月)東証プライム(1949/5)
時価総額(業種別時価総額順位)269億円(鉄鋼 20 / 43 社)
外国法人持株比率10.2%
予想配当利回り3.88 %
監査法人ひびき監査法人
業務内容上下水道に使うダクタイル鋳鉄管で国内2位。産業機械や建設資材も展開。石炭由来のコークスを植物由来のバイオコークスへ燃料転換する取り組みを推進。パイプシステムやバルブ、プレス機器の好調で3Q累計は利益急伸。 記:2023/02/07

  転載元:FISCO

事業内容

栗本鐵工所は、日本の鋳鉄管メーカーで、上水道や下水道などの公共事業に関わる製品を提供しています。

また、交通・輸送機器・情報通信関連製品、電力・ガス・石油・石炭・エネルギー関連製品、粉体機器、鍛造・金属加工関連機器、高機能鋳物製品なども製造しています。

強み・弱み

栗本鐵工所の強みは、以下のように考えられます。

  • 鋳鉄管のシェアが業界2位であり、高い技術力と信頼性を持つ。
  • 環境に配慮した製品開発や省エネルギー化に取り組んでおり、社会貢献度が高い。
  • 海外展開や新規事業への挑戦を積極的に行っており、成長性が期待できます。

一方で、栗本鐵工所の弱みは、以下のように考えられます。

  • 公共事業への依存度が高く、景気や予算の変動に影響されやすい。
  • 資材価格の上昇や競争激化などにより利益率が低下する可能性がある。

将来的には、インフラ整備や再生可能エネルギーへの需要拡大などを背景に事業基盤を強化することができる。

競合他社

栗本鐵工所の競合他社については、事業内容が似ている同業他社として以下のような企業が挙げられます。

  • 日本鋳鉄管工業(東証プライム)
  • 三井金属(東証プライム)
  • 日立金属(東証プライム)
  • ダイキン工業(東証プライム)

目標とする経営指標

中期3ヵ年経営計画2021~2023において2023年度目標数値を以下のように示されています。

  • 売上高:1,200億円
  • 営業利益率:4.6%
  • ROE:5.4%
バフェットコード

事業セグメント

栗本鐵工所の事業セグメントは、以下の通りです。

セグメント取扱商品またはサービスの内容
ライフライン事業ダクタイル鉄管及び付属品、各種調整弁の生産及び付帯工事を行う。
システム事業各種産業機械(各種粉体機器、各種プレス他)、特殊鋳鉄及び鋳鋼の生産及び付帯工事、各種プラントエンジニアリングを行う。
産業建設資材事業各種ダクト、ポリコンFRP管、各種合成樹脂成型品の生産及び付帯工事を行う。

売上の規模としては「ライフライン事業」が最も大きいですが、「機械システム事業」「産業建設資材事業」も大きな規模があります。

利益の規模としては「ライフライン事業」から安定して大きな計上されていますが、「機械システム事業」「産業建設資材事業」からも単発で計上があります。

業績

栗本鐵工所の過去の業績は以下の通りです。

SBI証券

EPSの推移と予想EPS

四季報データより作成

四半期EPS推移

四季報データより作成

2023年3月期3Qは、売上高は914億円(前年同期比+19.5%増)、営業利益は55億円(前年同期比+124.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は38.2億円(前年同期比+138.2%増)となりました。

官需分野においては堅調に推移し、民需分野においても新型コロナウイルス感染症による投資の手控えからの回復が進み、全セグメントで増収となっています。

ライフライン事業

売上高につきましては、官需分野の需要は底堅く、販売子会社、パイプシステム部門およびバルブ部門の売上が増加したことにより増収となりました。

営業損益につきましては、原材料価格の高騰もありましたが販売価格の改定による影響もあり、パイプシステム部門、バルブ部門がともに増収となっています。

機械システム事業

売上高につきましては、機械部門において新型コロナウイルス感染症による一時的な投資の手控えからの回復の影響もあり粉体機器、プレス機器の売上高が増加したことなどにより、また、素形材部門においては破砕機、鋳物部品の売上高が増加したことなどにより大幅な増収となっています。

営業損益につきましては、機械部門が大幅に増収となった影響などにより増益となっています。

産業建設資材事業

売上高につきましては、建材部門において空調製品、消音製品の売上高が増加したことなどにより、化成品部門においては下水道向け製品やFRP製検査路の売上高が増加したことなどにより、増益となっています。

営業損益につきましては、原材料価格の高騰の影響もありましたが、建材部門、化成品部門がともに増収となった影響などにより増益となっています。

2023年3月期通期業績予想

2023年2月14日に、通期の業績予想を再度上方修正しています。

通期の業績予想の修正理由としては、以下の通りです。

官需分野の需要の底堅さに加え、民需分野においても機械部門を中心に新型コロナウイルス感染症による一時的な投資の手控えからの回復により、グループ全体では前年度比増収増益の見込み。

売上高の増加に伴い、営業利益、経常利益、当期純利益とも、前回発表の予想を上回る見込み。

テクニカル分析

TradingView
TradingView

上場してから株価は低迷してきましたが、2021年に業績拡大が見え始めたころから大きく上昇しています。

また、東証が2023年春にも低PBR銘柄に資本効率改善などの開示を求めることから物色されています。

株価予想

EPSと株価の相関関係を使用して将来の価格を予想してみます。

株価からBPSを控除した金額の時間推移を利用した予測モデルをModel1、株価とEPSの相関を使用した予測モデルをModel2としています。

相関係数はModel1で97.4%、Model2で34.5%となっておりますので、株価とEPSにはやや相関関係があるといえます。

相関係数の絶対値一般的な解釈
0~20%ほとんど相関関係がない
20~40%やや相関関係がある
40~70%かなり相関関係がある
70~100%強い相関関係がある

Model1

Model1で算出した価格は2023年3期で1,498円、2024年3月期で1,464円となっています。

Model2

予想EPSは2023年3月期が344.1円、2024年3月期が318.6円となっており、Model2で算出した価格はそれぞれ2,342円2,259円となっています。

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