
株式会社セブン&アイ・ホールディングスについて有価証券報告書や中期経営計画、ニュースリリースから投資価値を独自に分析していきます。
(2022/2/15更新) 2022/1/13公表の2022年2月期 第3四半期決算を取り込み、更新しております。
Contents
セブン&アイHDの企業概要
企業名 | 株式会社セブン&アイ・ホールディングス | 設立年月日 | 2005/9 |
時価総額 | 5,056,265 百万円 | 業種別 時価総額順位 | 小売業 2 / 347 社 |
上場年月 | 2005/9 | 上場市場 | 東証1部 |
従業員数 | 連 58975 名 単 799 名 | 外国法人持株比率 | 28.1% |
決算月 | 2月 | 監査法人 | 有限責任 あずさ監査法人 |
業務内容 |
大手流通グループ。傘下にコンビニ最大手のセブンイレブンジャパンや大手総合スーパーのイトーヨーカドー、セブン銀行など。国内コンビニエンスストア事業は増収。海外のM&A効果等により、22.2期3Qは増収増益。 記:2022/01/25 |
転載元:FISCO
同業他社の時価総額および強み
後日記載
日経平均株価(日経225)およびJPX日経インデックス400構成銘柄への選定
セブン&アイHDは「日経平均株価(日経225)」および「JPX 日経インデックス400」の構成銘柄に選定されています。

「日経平均株価(日経225)」は、日本経済新聞社が発表する株価指数のことで、東証1部上場銘柄のうち、代表的な225銘柄をもとに計算されています。日本の株式市場の大きな動きを把握する代表的な指標として用いられ、投資信託や先物取引などの商品にも利用されています。
東証1部の代表的な銘柄を選定して指標としているため、定期的に組み入れ銘柄の見直しが行われていますが、分母(除数)の修正などで株式分割や銘柄入れ替えなど市況変動以外の要因を除去して指数値の連続性を保っています。
「JPX 日経インデックス400」は、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸条件を満たした「投資家にとって投資魅力の高い企業」で構成され、日本企業の魅力を内外にアピールするとともに、その持続的な企業の評価や株式の流動性だけでなく、企業の財務状況など、株式市場の活性化を図る事を目的として創生された株式指数です。
現在の投資の流行はインデックス投資ですから、インデックスの構成銘柄になることで大きな買い圧が生まれることが期待できます。
小売業で JPX 日経インデックス400に採用されている会社は以下の通りです。


セブン&アイHDの事業について
セブン&アイHDは、グローバルに展開するグループのネットワーク、情報力とともに、コンビニエンスストア(CVS)、食品スーパー、大型スーパー(GMS)、百貨店、専門店、銀行、ネットビジネスなどあらゆるお客様のニーズに応える多業態を擁する世界に類を見ない流通グループです。
基本方針は、「信頼と誠実」、「変化への対応と基本の徹底」を掲げ、総合的にシナジーを追求しています。
目標とする経営指標
セブン&アイHDは、持続的に企業価値を向上させるため、資本コストを上回るリターン(利益)を拡大するとともに、キャッシュフローの創出力を高めることを基本方針とし、連結KPIとして、連結自己資本当期純利益率(ROE)、ROICスプレッド、EPS成長率、フリーキャッシュフロー水準及びDebt/EBITDAを設定しています。
事業セグメント
セブン&アイHDの事業セグメントは以下の通りです。 (有価証券報告書2021年2月期の【事業の内容】P5、【セグメント情報】P132より)
セグメント | 取扱商品またはサービスの内容 |
---|---|
国内コンビニエンスストア事業 |
株式会社セブン‐イレブン・ジャパンを中心とした、直営方式及びフランチャイズ方式によるコンビニエンスストア事業を行う。 (主なグループ会社)株式会社セブン‐イレブン・ジャパン |
海外コンビニエンスストア事業 |
7-Eleven, Inc.を中心とした直営方式及びフランチャイズ方式によるコンビニエンスストア事業を行う。 (主なグループ会社)7-Eleven, Inc. 2020年8月に米国でSpeedwayブランドにてコンビニエンスストア事業および燃料小売事業を運営する会社の株式を21,000百万USDで取得しています。(引用:セブン&アイHD HP) 取得事業の経営成績は以下の通り。 |
スーパーストア事業 |
食料品や日用品等の日常生活で必要なものを総合的に提供する小売事業を行う。 (主なグループ会社)株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル |
百貨店事業 |
多種多様で上質な商品を提供する小売事業を行う。 (主なグループ会社)株式会社そごう・西武 |
金融関連事業 |
銀行業、クレジットカード事業、リース事業等を行う。 (主なグループ会社)株式会社セブン・カードサービス |
専門店事業 |
専門性が高く、特徴のある商品・サービスを提供する小売事業を行う。 (主なグループ会社)株式会社赤ちゃん本舗、株式会社バーニーズジャパン、 |
その他の事業 |
不動産事業等を行う。 |
セグメント別の営業収益と営業利益をグラフにしてみると以下の通りです。


営業収益は「国内コンビニエンスストア事業」「海外コンビニエンスストア事業」「スーパーストア事業」の3本柱で構成されていますが、営業利益は「国内コンビニエンスストア事業」がほとんどで「海外コンビニエンスストア事業」「金融事業」が続きます。
「国内コンビニエンスストア事業」と「金融事業」の営業利益率の高さが目立つ一方で、対照的に「海外コンビニエンスストア事業」と「スーパーストア事業」は営業利益率の悪さが目立つ結果となっています。
セブン&アイHDの業績
セブン&アイHDの過去の業績は以下の通りです。

2021年2月期は新型コロナの影響もあり売上、利益ともに減少しています。
2022年2月期は米国7-Eleven, Inc.がSppedwayブランドでコンビニエンスストア事業および燃料小売事業を行う会社の株式を取得したことから売上・利益ともに大幅に増加しています。
2022年2月期 第3四半期決算


国内コンビニエンスストア事業は収益は伸びているのですが、商品粗利率の低下と販管費の増加により利益率が悪化、その結果減収となっています。
海外コンビニエンスストア事業はSpeedwayを運営する会社を取得したことで大幅な増収増益となっていますが、この買収でのれんが1兆3,300億円発生しており、20年償却なので年間約670億円が重くのしかかってきています。
米国基準やIFRSではこののれんについて償却はないので、海外の投資家からはもっと利益が出ているように見えているはずです。
スーパーストア事業はコンビニ同様収益は伸びています。前年同期はコロナ影響として固定費の一部を特別損失に振り替えていましたが、当期は当事業の営業経費として計上しているので利益が減少しています。

キャッシュフロー

過去の蓄積により現金が豊富にあり、それに加えて2021年2月期はSpeedway取得に伴う資金調達したので大きく財務CFが計上されています。(短期借入金の純増減額が504,213百万円、社債の発行による収入が349,307百万円増加)
その後2022年2月期はSppedway取得により投資キャッシュフローが大きく減少しています。
2025年に向けた事業の方向性
セブン&アイHDは、2030 年にグループが目指す姿を「セブン‐イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する世界トップクラスのグローバル流通グループ」と定め、その第一フェーズとして、2025 年度を最終年度とする新中期経営計画を策定しています。
そのうち2021~2025 年度の中期経営計画期間を「成長と深化の 5 年間」と位置づけています。
テクニカル分析

10年の長期では2015年に記録した6,000円の株価にトライしている状況です。

2年で見ると、コロナ発生後2021年6月まで株価は上昇し、そのあとベースを形成しています。
ベースでは株価が下落する際は出来高が減少し、上昇するタイミングで出来高を伴っているので需給状況はよさそうです。
直近の上昇も出来高を伴っているので、ファンダメンタルズ次第では6,000円を超えて大きく伸びていきそうです。
ミネルヴィニ投資におけるステージ
ミネルヴィニの成長株投資については、以下の記事をご参照ください。
⇒ミネルヴィニ成長株投資法
2021年1月からステージ2に入っていますが、それが2021年6月にベース入り、2022年2月から再びベースを抜けていく段階です。
ボラティリティがあまりないので、まだステージ3には入っていない認識です。