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【企業別分析】信越ポリマー(7970)

信越ポリマー株式会社について有価証券報告書や中期経営計画、ニュースリリースから投資価値を独自に分析していきます。

記事の最後には、EPSと株価の相関関係から算出した株価予想も記載していますので、最後まで読んでいただけますと幸いです。

企業概要

企業名信越ポリマー株式会社
上場市場(上場年月)東証プライム(1983/12)
時価総額(業種別時価総額順位)1,002億円(化学 62 / 217 社)
外国法人持株比率17.7%
予想配当利回り3.03 %
監査法人EY新日本有限責任監査法人
業務内容シリコーン樹脂や塩ビ樹脂加工を展開。半導体関連容器や自動車用キーパッド、タッチスイッチなどを手掛け、ゴムコネクターで世界トップシェア。糸魚川工場増築と東京工場新棟建設で市場拡大に備え。中間期は利益急伸。 記:2022/10/26

  転載元:FISCO

事業内容

信越ポリマーは、塩化ビニル樹脂や半導体シリコンの世界トップメーカーである信越化学工業 のグループ会社として、1960年に設立されました。

塩化ビニル樹脂やシリコーンゴムの加工をコア技術として、シリコーンなど各種樹脂の「材料・配合」「設計」「加⼯プロセス」「評価・解析」という基盤技術の応⽤展開に努めてきました。

樹脂加⼯メーカーとして、⾃動⾞、情報機器関連から半導体、建設関連に⾄る幅広い分野で、お客様の多様なニーズにお応えしています。

お客様の多様で高度なニーズにお応えし、素材配合技術や各種加工技術を組み合わせ、高付加価値製品を提供することが信越ポリマーの使命であり強みとなっています。

目標とする経営指標

当社グループは、総合力を更に高め、いかなる経済環境にあっても力強く成長を続ける企業集団として、既存事業の競争力を強化し、売上の拡大と利益の向上を図り、また、新事業の創出に会社一丸となって積極的に挑戦しております。

資産効率の向上、財務基盤の更なる強化、企業価値の最大化を推し進め、過去最高益更新を目指し、いかなる環境にあっても持続的成長を達成することを目指してまいります。

バフェットコード

事業セグメント

信越ポリマーの事業セグメントは、以下の通りです。

セグメント取扱商品またはサービスの内容
電子デバイス事業自動車・電子機器の入出力部品及び周辺部品の製造・販売を行う。
高精細印刷技術をベースとした静電容量方式による入力部品やセンサー部品の開発と、シリコーンゴム加工技術をベースとした異種素材との複合化製品の開発を中心に、車載機器、モバイル機器、家電製品などの各市場における新規需要の開拓に取り組んでいます。
精密成形品事業半導体ウエハーや電子部品の搬送用資材、OA機器・医療機器用部品などの精密成形品の製造・販売を行う。
当社独自の精密加工技術と評価技術をベースに、次世代半導体ウエハー用の搬送容器及び電子部品の微細化や次世代半導体パッケージに対応した搬送テープの開発に取り組んでいます。
また、半導電化技術や発泡技術などシリコーンゴム配合技術により、顧客要求に応じたOA機器用部品や自社設計医療機器用部品の製品開発を行っています。
半導体関連製品は当社の主力事業のひとつであり、特に半導体搬送用ボックスは独自の評価技術や射出成形技術により高い世界シェアを維持し、総合ウエハーケースメーカーとして常に業界をリードしています。
住環境・生活資材事業食品包装資材、住宅関連資材などの樹脂加工品及び自動車・工作機械用部品などの素材製品の製造・販売を行う。
スーパーエンプラを素材とした薄膜フィルム、導電性・耐熱性を付与する導電性ポリマー、インフラメンテナンス市場向けの製品開発と需要開拓に注力しています。

売上高の規模としては「電子デバイス事業」、「精密成形品事業」、「住環境・生活資材事業」それぞれ同規模程度となっています。

利益は「精密成形品事業」が圧倒的に大きくなっています。

電子デバイス事業」からは安定して利益出しておりますが、「住環境・生活資材事業」は利益の増減が大きく不安定となっています。

業績

信越ポリマーの過去の業績は以下の通りです。

SBI証券

EPSの推移と予想EPS

四季報データより作成

毎年増収増益となっています。

四半期EPS推移

四季報データより作成

2023年3月期2Qは、売上高は525億円(前年同期比+20.2%増)、営業利益は66億円(前年同期比+45.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は50億円(前年同期比+44.2%増)となりました。

上期は、為替影響を除くと、半導体関連容器や OA ローラなどが堅調に推移したことに加え、昨年から続けてきた価格改定の成果により、好業績につながっています。

電子デバイス事業

当事業では、自動車産業の部品調達不足の改善等により、自動車関連入力デバイスの出荷が増加し、また価格改定の浸透や、為替影響により、全体として売上げは前年を上回りました。

入力デバイスは、自動車向けキースイッチの出荷が増加し、薄型ノートパソコン用タッチパッドの出荷も好調に推移し、全体として売上げを伸ばしました。

ディスプレイ関連デバイスは、液晶接続用コネクターの出荷は伸び悩みましたが、視野範囲/光路制御フィルム(VCF)の出荷が伸び、全体として売上げは前年並みとなりました。

コンポーネント関連製品は、電子部品検査用コネクターの出荷が大きく落ち込みましたが、車載用シリコーン成形品及び自動車用ワイパーの出荷が好調に推移して、売上げを伸ばしました。

精密成形品事業

当事業では、半導体関連容器やOA機器用部品、シリコーンゴム成形品の好調な出荷が続き、為替影響もあり、全体として売上げは前年を大幅に上回りました。

半導体関連容器は、半導体産業の旺盛な需要を背景に300mmウエハー用出荷容器などの出荷が好調に推移し、全体で売上げを大幅に伸ばしました。

OA機器用部品は、主力のレーザープリンター用ローラの出荷が好調で、売上げは大幅に増加しました。

キャリアテープ関連製品は、微細電子部品用の出荷が伸び悩み、売上げは減少しました。

シリコーンゴム成形品は、ウィズコロナで医療が通常に戻り、主力のメディカル関連製品の出荷が回復し、全体として売上げを伸ばしました。

300mmウエハー用出荷容器の生産能力増強

糸魚川工場の300mmウエハ用容器製造設備は、生産能力2割増える23年初稼働分に加え、24年初稼働で追加投資。

東京工場でも新生産棟を25年秋稼働で増強意向となっています。

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半導体業況について、半導体後⼯程は調整局⾯に⼊っている⼀⽅、半導体前⼯程のメーカーはその兆候は⾒られません。
キャリアテープは後⼯程に直結しているため、下期も、スマートフォンや PC 向け電⼦部品⽤キャリアテープの需要低迷は続く。
一方で、前⼯程関係で使⽤される半導体関連容器では、ウエハーメーカー向けの⼩⼝径品で調整局⾯はあるものの、主⼒の300mm向け容器は上期同様に好調となる見込み。

住環境・生活資材事業事業

当事業では、塩ビ関連製品の市場環境が非常に厳しい中、販売価格改定やM&Aにより、全体として売上げは前年を大幅に上回りました。

ラッピングフィルム等包装資材関連製品は、株式会社キッチニスタの連結化により、売上げは大幅に増加しました。

塩ビパイプ関連製品は、出荷は低調に推移しましたが、販売価格改定により売上げは増加しました。

機能性コンパウンドは、海外新規顧客向けの出荷が拡大し、産業機械向けロボットケーブル用途も好調で、売上げが大幅に伸びました。半導体装置やロボットケーブル⽤途が好調、⾃動⾞⽤途は低調となっています。

外装材関連製品は、需要が伸び悩んだものの、販売価格改定が進み、全体として売上げは前年並みとなりました。

導電性ポリマーは、ディスプレイ用途が低調だったものの、自動車用電子部品用途の受注が増え、順調に売上げを伸ばしました。

今後の事業戦略について

半導体産業はデータ通信網の拡⼤に伴う中⻑期的な拡⼤が⾒込まれますので、半導体関連容器事業を第⼀の成
⻑の柱ととらえ、⽣産能⼒の拡⼤を全⼒で進め、事業の拡⼤発展
をめざします。

また、⾃動⾞産業は電動⾞への転換や⾃動運転に伴う新技術の急速な進展が⾒込まれますので、電⼦デバイス製品などの現有製品を伸ばし、これに加えて進⾏中の新規テーマの戦⼒化を急ぎ、第⼆の柱にして参ります。

また、成熟しているといわれるOA機器市場ですが、オフィスプリンターは伸びており、OAローラは中期的に安定した利益をあげることが⼗分期待できます。

今後、成⻑を持続していくうえで、新規テーマの発掘は重要であり、今後も研究開発には積極的に経営資源を投⼊し、新製品⽐率を上げてまいります。

なかでも医療関連製品は当社のシリコーン加⼯技術が⽣かせる有望市場ですので販売⼒、開発⼒を強化し成⻑を図ります。その他の事業も、規模の⼤⼩によらず利益重視に徹し経営基盤の強化を図ってまいります。

avatar
加⼯製品の寿命は短いため、次々と新製品を投⼊していくことが重要とのことです。

テクニカル分析

TradingView

上場後2016年に2,000円付近まで上昇したのち株価は低迷していましたが、堅調な業績に支えられ上昇しています。

TradingView

ここ5年は700円から1,400円のボックス相場となっています。

株価予想

EPSと株価の相関関係を使用して将来の価格を予想してみます。

株価からBPSを控除した金額の時間推移を利用した予測モデルをModel1、株価とEPSの相関を使用した予測モデルをModel2としています。

相関係数はModel1で72.1%、Model2で87.8%となっておりますので、株価とEPSにはかなり相関があるといえます。

相関係数の絶対値一般的な解釈
0~20%ほとんど相関関係がない
20~40%やや相関関係がある
40~70%かなり相関関係がある
70~100%強い相関関係がある

Model1

Model1で算出した価格は2023年3月期で1,339円、2024年3月期で1,486円となっています。

Model2

予想EPSは2023年3月期が125.1円、2024年3月期が123.4円となっており、Model2で算出した価格はそれぞれ1,430円1,416円となっています。