ピックアップ企業
【企業別分析】トリケミカル研究所(4369)

株式会社トリケミカル研究所について有価証券報告書や中期経営計画、ニュースリリースから投資価値を独自に分析していきます。

記事の最後には、EPSと株価の相関関係から算出した株価予想も記載していますので、最後まで読んでいただけますと幸いです。

トリケミカル研究所の企業概要

企業名 株式会社トリケミカル研究所 設立年月日 1978/12
時価総額 774億円 業種別 時価総額順位 化学 65 / 217 社
上場年月 2007/8 上場市場 東証プライム
従業員数 連 211 名 単 178 名 外国法人持株比率 17.5%
予想配当利回り 0.94 % 監査法人 EY新日本有限責任監査法人
業務内容

半導体製造用の高純度薬剤や配線材料が主力。太陽電池製造用なども。地域別売上では台湾向け比率が高い。半導体製造用化学化合物の開発能力向上推進。既存製品は需要旺盛。為替差益増。23.1期1Qは2桁増収増益。 記:2022/07/03

  転載元:FISCO

トリケミカル研究所の事業について

トリケミカル研究所は、主として半導体メーカー向けの高純度化学薬品の開発・製造・販売を行っています。

半導体デバイス製造においては、シリコンのウェハ上に複雑な電子回路を構成するため、多様な工程を経て作られています。

この工程はウェハプロセスと呼ばれていますが、その中の様々な場面で、化学反応を利用した加工がなされており、トリケミカル研究所グループの製品は主にウェハの表面上に薄膜を化学反応を用いて堆積させる「CVD」、薄膜の不必要な部分を腐食させて削り取る「エッチング」、ウェハ上にトランジスタやダイオード等を作るためにウェハの内部に不純物を注入させる「拡散」といった多岐にわたる工程において用いられています。

設立当初は光ファイバー製造に供される高純度材料の供給を行うことで成長を遂げてきましたが、現在では同様な材料を使用し、ニーズの変化が常に起こる半導体製造用材料や、デバイスの原理的に半導体と共通点の多い太陽電池製造用材料の供給が主力となっています。

トリケミカル研究所グループについて

トリケミカル研究所グループは、トリケミカル研究所、連結子会社(三化電子材料股份有限公司)、持分法適用関連会社(SK Tri Chem Co., Ltd.及び㈱エッチ・ビー・アール)の4社で構成されています。

連結子会社である三化電子材料股份有限公司は、台湾での高純度化学化合物の開発・製造・販売を行うことを目的として設立された会社です。

関連会社SK Tri Chem Co., Ltd.はSK Materials Co., Ltd.との合弁で設立された会社であり、韓国における高純度化学薬品の開発・製造・販売を行っています。

関連会社㈱エッチ・ビー・アールはテイサン㈱(現日本エア・リキード(同))との合弁で設立された会社であり、トリケミカル研究所グループの主力製品である臭化水素の製造・販売を行っています。

目標とする経営指標

トリケミカル研究所グループは、安定した売上成長を図り、規模の拡大を目指しながらも、経営の効率化を推し進めることで確実に利益をあげられる強靭な企業体質の構築に努めてまいりたいと考えています。

そのため売上高及び売上高営業利益率を重視すべき経営指標としております。

2023年1月期を初年度とする中期経営計画においては、以下の財務目標が掲げられています。

  • 売上高:165億円
  • 営業利益率:25%⇒営業利益:44億円
バフェットコード

事業セグメント

トリケミカル研究所の事業セグメントは以下の通りです。

セグメント 取扱商品またはサービスの内容
半導体等製造用高純度化学化合物事業

半導体メーカー向けの高純度化学薬品の開発・製造・販売を行う。

開発・製造・販売している主な半導体・太陽電池向け製品は、主に以下の3種類です。
<製品種類>
① CVD材料
② ドライエッチング材料
③ 拡散材料

トリケミカル研究所の業績

トリケミカル研究所の過去の業績は以下の通りです。

SBI証券

EPSの推移と予想EPS

四季報データより作成

四半期EPS推移

四季報データより作成

2023年1月期2Qは、売上高が6,548百万円(+22.0%)、営業利益は1,911百万円(+31.1%)、経常利益は3,508百万円(+43.3%)、親会社に帰属する四半期純利益は2,703百万円(+43.7%)となりました。

主要な販売先の半導体業界においては、テレワーク等の急速な普及やDX化の拡大等により世界的な半導体不足が生じていましたが、直近ではインフレの進行や地政学リスクの高まりを受けて、パ
ソコンやスマートフォン向け等、一部で需要減退の動きも見られ
、先行きに慎重な見方も出てきている一方、先端半導体を中心に半導体メーカーの稼働は引き続き高い水準を維持しています。

2023年1月期の業績修正について

2022年8月31日に2023年1月期通期連結業績予想を上方修正しています。

ただし、上期分を実績に修正したのみで、下期分は計画当初値を据え置いています

上期分に実績と差異が生じた理由としては、主要な販売先であります半導体業界において各社とも高い稼働を継続しており、引き続き最先端半導体向けを中心に需要が旺盛であったことや、持分法投資利益が計画を上回ったこと、為替相場が想定レートに対し円安に推移したことがあります。

下期分については、米中間の緊張の高まりやロシア・ウクライナ問題等、世界情勢は不透明感を増しており、それにつれて為替相場においても直近で急激な変動を強めていることや、これに加えてエネルギー・原材料価格を含む世界的なインフレの動向、トリケミカル研究所製品関連市場の先行き等、現時点において下半期の業績を想定するにあたっての変動幅が大きいことから、下半期の業績予想は期初における想定(期初想定$1=¥110)を据え置いています。

下期も円安で推移することが見込まれていますので、計画上振れとなることは確実だと思います。

地域別売上高

トリケミカル研究所の取引先の多くは海外ですが、主に台湾、韓国、中国向けが大きいことがわかります。

現在半導体は米中対立が起きていますので、アメリカが不況や在庫過剰となったとしても国策として半導体を支援している中国向けには影響が少なく、その点ではメリットが大きいと考えています。

その一方で米中対立が悪化し、日本企業の中国向け輸出規制強化などになれば当然影響をもろに受けることになります。

製品用途別売上高

製品用途別売上高を見ると、半導体向けが順調に売り上げを伸ばしています。

2025年に向けた事業の方向性

最後に2022年3月15日にリリースされた中期経営計画画(2022 年2月~2025 年1月)について記載しておきます。

半導体製造用化学化合物の生産開発能力の向上を推し進め、国内外の最先端半導体の需要増に即応できる体制を整備すること、そして向こう数年で需要が発生する、あるいは成長の見込まれる材料の開発・生産体制を構築することで将来の成長に備えていくとしております。

目標とする業績目標は以下の通りです。

  • 売上高:165億円
  • 営業利益率:25%⇒営業利益:44億円

テクニカル分析

TradingView

業績とともに株価も右肩上がりとなり半導体バブルの2021年にピークを付けてから下落しています。

TradingView

まだ下落トレンドの中にいますが、足元の業績は好調を維持しており底は固いようにも見えますね。

株価予想

EPSと株価の相関関係を使用して将来の価格を予想してみます。

BPSを加味した株価とEPSの相関を使用した予測モデルをModel1、単純に株価とEPSの相関を使用した予測モデルをModel2としています。

上グラフを見ていただくと分かるのですが、2017年12月期前後で株価とEPSの関係に違いがあるので2017年12月以降のデータのみで相関係数を算出しています。

その結果、相関係数はModel1で60.3%、Model2で62.6%となっており、EPSと株価にかなりの相関があるといえます。

相関係数の絶対値一般的な解釈
0~20%ほとんど相関関係がない
20~40%やや相関関係がある
40~70%かなり相関関係がある
70~100%強い相関関係がある

Model1

予想EPSは2022/12期が217.1円、2023/12期が236.3円となっており、Model1で算出した価格はそれぞれ3,728.8円4,078.1円となっております。

Model2

予想EPSは2022/12期が217.1円、2023/12期が236.3円となっており、Model2で算出した価格はそれぞれ3,644.2円3,838.5円となっております。