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【企業別分析】マークラインズ(3901)

マークラインズ株式会社について有価証券報告書や中期経営計画、ニュースリリースから投資価値を独自に分析していきます。

記事の最後には、EPSと株価の相関関係から算出した株価予想も記載していますので、最後まで読んでいただけますと幸いです。

マークラインズの企業概要

企業名 マークラインズ株式会社 設立年月日 2001/1
時価総額

303億円

業種別 時価総額順位 情報・通信業 158 / 562 社
上場年月 2014/12 上場市場 東証プライム
従業員数 連 151 名 単 103 名 外国法人持株比率 17.4%
予想配当利回り 1.22 % 監査法人 シンシア監査法人
業務内容

自動車業界に特化した情報サイトを運営。部品調達代行や調査、コンサル、人材紹介も。22.12期1Qは有料契約社数が順調に拡大。車両・部品調達サービスの需要も強く大幅増収増益に。通期最高業績・連続増配を計画。 記:2022/06/16

  転載元:FISCO

2022年12月期より、監査法人があずさ監査法人からシンシア監査法人に変更されてますね。監査継続年数が長期にわたっており新たな視点で監査が必要であることを理由にってあるけど本当か?いきなり零細監査法人使うと何かあるんじゃないかと疑ってしまう。まあ時価総額も300億程度だからBIG4を使う必要もないけど、それなら最初から使わなければいいんじゃ。。

マークラインズの事業について

マークラインズグループは、自動車産業に特化したトータルソリューションを「情報プラットフォーム」事業を中心に、コンサルティング、人材紹介、LMCAutomotive Ltd.製品(市場予測情報)販売、プロモーション広告、ベンチマーキング関連及び自動車ファンドの7つの事業を通じて提供する「自動車産業ポータル」を運営しています。

主力は世界の自動車生産・販売、技術、部品などの情報をインターネット上で検索でき、また自社製品を完成車メーカーや部品メーカーにPRできるオンライン情報サービスです。

マークラインズHPより

一台の自動車を開発、生産、販売するには、完成車メーカーのほか、それを支える部品メーカー、材料メーカー、設備・機械メーカー、ソフトウェアベンダー、商社・運輸など多くの関連企業が製品やサービスを提供して自動車産業のサプライチェーンを形成しています。

マークラインズのサービスは、これらのサプライチェーンを形成する国内外の完成車メーカーから中小の部品メーカーなど、2022年3月末現在、4,200社以上の企業に利用されています。

情報プラットフォームで提供する情報

契約企業の登録会員(ユーザー)は、「情報プラットフォーム」にアクセスし、「情報データベース」を利用することで、新規部品メーカーの開拓、市場分析、顧客動向調査、技術戦略立案、販売促進など、多方面に活用できます。
一方、1週間以内であれば無料で全てのコンテンツを閲覧できる無料登録会員サービスがあります。登録後1週間経過した無料登録会員は、引き続き一部コンテンツの利用が可能です。

一般的にネットでの情報は無料との考え方が根強くありますが、ニュースのような「フロー情報」ではなく、マークラインズの情報部が、プレスリリース収集・取材・アンケート・外部機関からの買い入れなどの手法で一元的に収集、整理、分析し、業界の実務家向けに使い易いようデータベース化した「ストック情報」として提供することで、情報を有料化しています。
また、英国の調査・コンサルティング会社 LMC Automotive Ltd.との業務提携により、生産・販売台数の予測情報の一部を情報メニューに加えています。

目標とする経営指標

マークラインズグループが重視している経営指標は、①利益成長率、②株主資本利益率、③配当性向です。

① 利益成長率
連結営業利益及び連結経常利益の利益成長率を重視する理由は、真に強い企業となるためには、継続して安定した利益成長を遂げていくことが重要と考えているためであり、前期比20%以上の利益成長率の達成を目標としています。

2021年12月期の連結営業利益及び連結経常利益の利益成長率は、それぞれ33.4%、32.8%です。


② 株主資本利益率(ROE)
株主資本利益率(ROE)を重視する理由は、株主資本を使用してどのくらい利益を上げたのか、主・投資家へのリターンの尺度とされているためです。

2021年12月期連結会計年度の株主資本利益率(ROE)は27.2%です。

マークラインズは、収益力の向上と業績に応じた株主還元策等を踏まえて、中期的にROE30%の維持と資本効率の向上を目標としています。

③ 配当性向
株主の利益配分を重要な経営方針と位置付け、中長期に株式を保有していただくため、安定的な配当を実施することを目標としています。経営基盤の強化と今後の事業領域の充実のための内部留保を確保しつつ、業績に応じた配当を実施することが重要と考え、配当性向は個別業績をベースに35%を目安と考えています。

2021年12月期の配当性向は、36.7%となります。

事業セグメント

マークラインズの事業セグメントは、以下の通りです。

なお、2022年3月期会計期間より、連結子会社である株式会社自動車ファンドが事業活動を開始しております。これに伴い、新たに報告セグメントとして「自動車ファンド事業」を追加し、従来「調整額」に含めていた同社を「自動車ファンド事業」に移管しています。
また、2021年3月期4Q会計期間より、量的な重要性が高まったため「その他の事業」に含めていたプロモーション広告事業を独立区分し、報告セグメントとしています。

セグメント 取扱商品またはサービスの内容
情報プラットフォーム事業

インターネットのネットワークを利用した自動車及び自動車部品に係わる会員制有料情報提供サービス

ベンチマーキング関連事業

ベンチマーキング活動に利用可能な車両・部品調達代行及び分解調査データ販売の2つのサービスを提供する事業

コンサルティング事業

自動車業界に係わる技術・市場の動向調査、サプライチェーンなどの調達状況調査、技術コンサルティング、専門性の高い提携先企業との共同プロジェクト等を、顧客の依頼に個別対応して行う事業

人材紹介事業

自動車業界に特化した人材紹介事業

LMC Automotive Ltd.製品(市場予測情報)販売事業

LMC Automotive Ltd.との業務提携により、同社の市場予測情報を日本国内で独占販売する事業

プロモーション広告事業

情報プラットフォームの会員に対し、自社の製品・サービスをPRできるPRメール、製品情報掲載、バナー広告の3サービスを提供する事業

自動車ファンド事業

ベンチャー・スタートアップ及び再イノベーションを期す中堅企業を投資対象とする自動車産業に特化したベンチャーキャピタル事業

セグメント別に売上高及び利益を見ると、ほとんどを「情報プラットフォーム事業」が占めており、次に「ベンチマーキング関連事業」が目立ちます。

情報プラットフォーム事業以外のセグメントで売上高及び利益をみると以下の通りです。

ベンチマーキング関連事業は各1Qに多額に計上されており、この部分が全体に影響を与えています。

その他の事業はそれぞれ毎期堅調に計上されています。

マークラインズの業績

マークラインズの過去の業績は以下の通りです。

SBI証券

EPSの推移と予想EPS

四季報データより作成

毎年順調に増収増益となっています。

四半期EPS推移

四季報データより作成

2022年12月期2Qは、売上高が2,066百万円(前年同期比+21.8%)、営業利益は777百万円(前年同期比+35.1%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は547百万円(前年同期比+39.3%)となりました。

情報プラットフォーム事業

ロシアのウクライナ侵攻による欧州地域での自動車生産減少に加え、3月末から始まった上海のロックダウンにより、サプライチェーン(物流網)や生産活動の一部に混乱を招き、多くの自動車メーカーが部品調達難を理由に、中国国内外工場の停止や減産などをしたため、マークラインズの上海子会社についても2カ月間の閉鎖を余儀なくされ新規契約決済プロセスの遅延などが発生し、営業活動に著しく支障をきたしました。

半導体不足の長期化により自動車業界では生産調整などを強いられる状況が続いており、これに伴い、業界内で景況感が悪化しています。

情報プラットフォームの無料会員増加の施策実行

DXを活用した無料登録者の増加策も進めています。5月には無料会員登録画面を全面的に変更したほか、6月には新たなランディングページを作成し、インターネットでマークラインズを検索された方々が、より早く、より簡単に会員登録できるようにしています。

情報プラットフォームの契約企業数の月次推移

マークラインズは「情報プラットフォーム」契約企業数の月次推移をリリースしています。

月次推移をみると直近は月に30社程度増加ペースで増えていることが分かりますが、ここ2年ほどは増加ペースが減少傾向にあります。

一方で2020年9月あたりから契約数が大幅に増加していた過去もあります。

年次単位でみると2020年12月期はコロナショックの影響で増加率に落ち込みは見られますが、2021年12月期は回復しています。

2022年12月期は中国のゼロコロナ政策によるロックダウンの影響もあり落ち込みを見せています。

契約企業数と売上高の関係

では契約企業数はどれほど業績に影響があるのでしょうか。

売上高と契約企業数の関係をグラフにしてみると、"1契約企業当たりの売上高"が増加傾向にあることから、2021年12月期に入ってから契約企業数の伸びよりも売上高が伸びていることが分かります。

つまり、契約企業数の増加数のスピードが鈍化してもストックビジネスである以上プラットフォームを活用している企業がそれ以上に利用することで売上高は上昇していくことが分かります。

avatar
直近は海外企業の比率が伸びており、円安の影響もあって売上高がそれ以上に伸びています。

ベンチマーキング関連事業

2022年12月期2Qは、車両・部品調達代行サービスにおいて、EV車両本体や電動車両関連部品の売上が伸長、顧客リピート率も堅調に推移し、売上高、セグメント利益ともに前年同期を上回る結果となりました。

また分解データ販売においては、モーター、インバーター関連レポートに加え、 HMI(Human MachineInterface)技術などの内製レポートも売上を牽引しています。

ベンチマーキング関連事業の推進

車両・部品調達代行については、昨今の急速なEV化の流れを受けて、モーター、バッテリー、パワーコントロールユニット等のEV関連部品の受注が拡大成長しており、自動車メーカー、大手部品メーカーからのリピート受注が増加しています。

今後も展示会、ターゲットメールなどを通じて、情報プラットフォーム会員に対して当該サービスを積極的にPRすることで売上拡大を目指します。

また、分解調査データ販売については、新たに、AVL社、コベルコ科研社との提携により、性能試験データなど新しい分解調査レポートの販売を開始し、好調に推移しています。新しい提携先の開拓をさらに進め、販売レポートのラインアップを拡充していきます。

その他の事業

その他の事業については、上記2事業よりは比較的規模が小さいのでまとめて紹介します。

コンサルティング事業の成長拡大

当該事業のグローバル展開を視野に入れ、2022年以降、ドイツ子会社でコンサルティング案件の実行を試みた後、中国子会社への展開も図っていく。

EV化が進む影響で、業務改革や新事業開拓及び企業の課題解決型コンサルティング、技術動向調査へのニーズが高まっているので、自動車ファンド事業及び人材紹介事業との協業を図り、受注増を目指す。

また、コスト比較分析サービスは、新規顧客や大手自動車メーカーや部品メーカーがリピーターとして定着し始めたことにより、売上が順調に伸びており、体制強化のための人員増強や、分析業務の効率化を進め、受注増に対応した能力拡大を進めていく。

ただ、2022年12月期2Qは大型案件が少なかった。

LMC Automotive Ltd.製品(市場予測情報)販売事業の新規顧客層開拓

世界的な脱炭素の流れを受けて、2021年の売上の7割はEV等のパワートレイン別データの売上だった。

今後も、EV化に関するニーズをとらえ、自動車市場の将来シナリオを予見するためのツールとして競合他社からの乗換顧客の拡大を図っていく。

また認知度拡大に向け主要メディアへの露出を増やす取り組みや、ターゲットメール等の対象者を拡大し、一段の売上増加を目指していく。

年度契約を更新する企業が9割超と高水準となっている。

テクニカル分析

TradingView

相場環境の悪化、そして景気悪化による自動車業界の低迷を見据えて株価は下落傾向にありますが、長期で見れば上昇トレンドの範囲内にあります。

PERは27倍ほどですが、成長率よりも低いため過熱感もありません。

株価予想

EPSと株価の相関関係を使用して将来の価格を予想してみます。

BPSを加味した株価とEPSの相関を使用した予測モデルをModel1、単純に株価とEPSの相関を使用した予測モデルをModel2としています。

相関係数はModel1で87.1%、Model2で88.9%となっておりますので、株価とEPSにはかなり強い相関があるといえます。

Model1

予想EPSは2023/3期が80.2円、2024/3期が96.9円となっており、Model1で算出した価格はそれぞれ3,386.0円4,130.8円となっております。

Model2

予想EPSは2023/3期が80.2円、2024/3期が96.9円となっており、Model2で算出した価格はそれぞれ3,517.9円4,317.8円となっております。